「はいはい、悪かった。謝ればいいんでしょ」


「ごめんね」
「いいよ」

幼い頃、ケンカの後のこのやり取りをとにかくやるように親や先生に言われ、
私たちは儀式のように刷り込まれてきました。

ケンカをしたら謝って終わり。

でも、それが本当に適切なケンカの事後対応なのでしょうか。

大人になると「ただ謝ればいいってもんじゃないでしょう?」ということがだんだんわかってきます。


夫婦喧嘩でも

「自分が悪いっていいたいんだろ?はいはい、悪うございました」
「ちゃんと謝ったんだから、グチグチいってないで機嫌直せよ」

とパートナーが言ってきて腹が立つとか、

「自分は悪くないのに、私のせいだって言われて、とりあえず謝ったけど釈然としない

という心のつぶやきなどをよく目にします。

心に響く謝罪、響かない謝罪

「謝罪」というものは、さっさと済ますものではなく、

「あなたに起きた痛みを私は理解しました。
私は大変なことをしてしまったと、自分がしたことの責任を心から感じています」

ということについて、被害者側に納得してもらうことが大切だと思っています。

ですので、
「被害を受けた相手の状況を理解しないままの謝罪」
そして、
「自分がその責任を(全部でなくても)負っていることを認めない謝罪」は
謝罪風であっても謝罪ではないと、私は思っています。

特に、
「だって〇〇だったんだから仕方ないじゃない!」
などと、そうせざるを得なかった言い訳を一方的にされたりすると、
いくら「悪かった」と口では言っていても、被害者側は釈然としません。

これは関係性を悪化させる4つの毒素の「防御」にあたり、
「私には責任はない」と自己弁護するポーズになります。

つまり、被害者に起きたことを理解し、ケアすることよりも、
自分の身を守ることを優先している状態です。


もうさんざん聞き飽きた
「誤解を招いたとしたら申し訳ない」も似たようなスタンスです。

翻訳すると
「こちらはそんなつもりはなかったが、
そのように受け取られる可能性を作ってしまった点においては、私に過失があるかもしれない。
その点についてのみ、謝る。(しかし、その他の件については謝るつもりはない。)」
ということですね。

被害者側がどのような状況に追い込まれたのか、どのような気持ちになったのか、
これっぽっちも被害者側に寄り添う姿勢が見られないのです。

なので、言われた方はますます頭にきます。


まとめると、

・被害者側に何が起きて、どんな気持ちになったのかを、やってしまった側が理解すること
・その上で、そのことに加担した自分の責任をしっかりと認めること

これが謝罪の鉄則であると考えます。

自分の失敗を認めることができる=成熟した大人

「相手に何が起きて、どんな気持ちになったか」
そして
「自分はそのことに関してどのように加担したのか」
を把握するためには、まず冷静になり、自分自身と向き合う必要があります。

自分の失敗と向き合うわけですから、本当なら避けたいですよね。

見なかったことにしたい、聞かなかったことにしたい。

この居心地の悪さからさっさと逃げ出すために、
「ごめん」と言い切って終わりにしたい気持ちもあるでしょう。

また、自分にとって耳の痛い話をさらに聴くのは、勇気のいることだと思います。

でも、自分の失敗と向き合えるのが「精神的成熟=大人ということ」だと思います。


そして、親同士がケンカの後、冷静に自分を振り返り、
もう一度相手の気持ちや意見に耳を傾けたりする姿を間近で見た子どもたちは、
ケンカの後始末の仕方を家庭で学ぶことができます。


この記事が、ご自分の謝罪スタイルを見直すきっかけになったら嬉しいです。

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