離婚リスクが高くなる⁈夫婦関係を壊す4つのNGコミュニケーションとその対処法

その言い方、夫婦関係を壊していませんか?
例えばこんな場面、あなたの家庭にもありませんか?
夜11時。
妻は子どもの寝かしつけにようやく成功し、リビングに戻ってくる。
夫はソファでスマホを見ている。
妻:「ねえ、明日の保育園の準備、ちょっと手伝ってくれる?」
夫:(スマホを見たまま)「今これ読んでるんだけど」
妻:「は?いつもそうやって逃げるよね。あなただって親でしょ?ほんと無責任」
夫:(少しイラっとしながら)「俺だって仕事でクタクタなんだけど?」
妻:「私だってクタクタだよ。それともなに?私ひとりが倒れるまで働いて育児して家事してろってこと?すごいね、自分のしんどさしか見えてないんだ」
夫:(目をそらして無言)
妻:「ねぇ、聞いてるの?」
夫:(無言で部屋を出ていく)
夫婦関係が悪化し、最悪の場合「離婚」にまでつながってしまうコミュニケーションパターンがあることをご存知ですか?
この記事では、夫婦関係研究の第一人者ジョン・ゴットマン博士の理論をもとに、「夫婦関係を壊す4つの毒素」と呼ばれるNGコミュニケーションをご紹介します。
離婚のサイン?「4つの毒素」とは
ゴットマン博士は、40年以上にわたる研究の中で、離婚につながる典型的なコミュニケーションパターンがあることを特定しました。
そのうちの1つが「4つの毒素」です。
1. 非難
相手の行動ではなく人格や能力を責める発言。
相手の行動のまずい点を指摘するのではなく、相手そのもの、つまり人格や性格を否定する発言が「非難」です。
たとえば、「〜ができなかった」ではなく、「あなたはダメな人だ」「ほんとに気が利かない」といった表現が非難に当たります。「いつも」や「なんで」といったお決まりの言葉を伴って表現されることが多いです。
非難は相手を傷つけ、防衛的な反応を引き出しやすく、建設的な対話を難しくしてしまいます。
例:
- 「なんで何度言っても覚えないの?」
- 「どうして毎回言わないとわからないの?」
- 「“できない”って、やる気がないだけでしょ?」
- 「(あなたって)本当に自分のことしか考えてないよね」
- 「なんでそんなに神経質なの?」
- 「(あなたって)ホントに人の気持ち分からないよね」
- 「(あなたって)ほんと役立たず」
対処法:
- 非難ではなく不満で伝える。
- 「私は〜と感じた」と自分を主語にする(アイメッセージ)
例:「連絡がないまま帰りが遅いと不安になる。できれば早めに一言知らせてくれると安心する」
2. 侮辱
相手を見下す・バカにする態度や言葉。
「侮辱」は非難よりもさらに破壊力が強く、相手を見下し、軽蔑する態度や言葉です。
例えば、相手の知性や能力、価値そのものを貶めるような表現──「そんなこともできないなんて、ありえない」など──は、相手を深く傷つけ、心に強いダメージを与えます。
侮辱には、皮肉・あざけり・目線や口調の冷たさなど非言語的要素も含まれます。
また、本人に直接言わない”陰口”であったとしても同じ毒性を持ちます。
例:
- 「お前、家にいるだけで何がそんなに大変なの?」
- 「だからお前はいつも感情的なんだよ」
- 「そんなことも知らないの?常識なさすぎ」
- 「話しても無駄。どうせ理解できないでしょ」
- 「“やってる感”出すのだけは一丁前だね」
- 「はいはいはい、出た。『俺だってやってる』」
- 「そんなこと小学生だってできるよ」
- 「よくそれで“父親”とか名乗れるよね」
「侮辱」は夫婦関係において最も強い離婚予測因子とされ、関係修復を非常に困難にします。
対処法:
- 日頃から感謝の言葉を意識して使い、家庭内に感謝の文化を築く
- 対話を穏やかに切り出す
3. 防御
自分を守るあまり、相手の話を受け止めない状態。
非難や侮辱にさらされたとき、人は自己防衛的になりがちです。
相手の言葉を正面から受け止めず、言い訳や反論で自分の正しさを主張したり、被害者のように振る舞って自分を守ろうと反応します。
これが「防御」です。
自己防衛なので正しい行為のように見えますが、実際には相手の気持ちや訴えを無視し、問題の本質から目をそらしてしまうため、対話を一層こじらせてしまう原因となります。
例:
- 「こっちだって疲れてるんだけど」
- 「だったら自分でやればいいじゃん」
- 「言ってくれたらやったのに」
- 「何でいつもこっちばっかり責められるの?」
- 「文句ばかり言われてやる気なくなった」
- 「そっちだって完璧じゃないくせに」
- 「またその話?もう何回目?」
- 「そんな言い方しなくてもいいじゃない」
対処法:
- 自分の非を認め、歩み寄る
4. 逃避・無視
沈黙・無反応・話し合いからの逃避。
「逃避、無視」は、話し合いを避けたり、完全にシャットダウンして無反応になることです。
これは、感情的に圧倒されているときや、相手とのやりとりが苦痛になっているときに起こりやすく、完全に「心のシャッター」を閉じてしまっている状態です。
表面的には争いを避けているように見えても、相手には「拒絶された」「つながりを断たれた」と受け取られやすく、強い孤独感や見捨てられたような気持ちを相手に与えます。
例:
- (話しかけても)スマホを見続ける
- 「……(無言で部屋を出ていく)」
- (目も合わせずに家事を始める)
- LINE既読スルー
- ため息だけついて返答しない
- 何時間も何日も口をきかない
対処法:
- 休憩を取る。その際、「今は冷静になりたいから、30分後に話そう」などと言葉で意思表示する
- タイムアウト後、再度対話の場を持つ
夫婦の会話が健康にも影響する!?
ゴットマン博士の研究はワシントン大学の医学部で行われ、夫婦関係の悪化と身体的反応の関係を明らかにしました。
4つの毒素が頻繁に出現する夫婦は免疫力が低下し、風邪などにもかかりやすくなるという結果が出ています。
また、当人同士だけでなく、その家庭で育つ子供の健康状態やストレス増加にも影響を与えることがわかっています。
つまり、夫婦のコミュニケーションは「心」だけでなく「体の健康」にも直結しているのです。
どうして「4つの毒素」を使ってしまうのか
残念ながら、私たちは幼少期から日常的に「4つの毒素」を家庭でも学校でもたくさん浴びて育ってきています。
ですので、自分の思い通りにならない場面に直面すると、過去の大人たちがやっていたように、「4つの毒素」を無意識に使ってしまうことがよくあります。
しかし近年になって、それらの傷つけあうコミュニケーションの弊害が研究によってはっきりわかってきたということなのです。
まずはできるところから始めましょう
今からでも自分たちのコミュニケーションを変えることは可能です。
まずは、できるところから。
あなたの関係に変化が生まれることを心から願っています。
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