正しい夫婦ゲンカの仕方とは？　ゴットマン博士の最新刊を翻訳中です

2025年9月26日 2025年9月26日

karika7

夫婦関係を改善したいと思っても、
「話し合うつもりが、気づけばケンカになってしまう」
「冷静に話そうとしても、結局感情的になったり、話がかみ合わずに終わる」
と悩む方は多いのではないでしょうか。

実は“夫婦ゲンカの仕方”こそが、
関係を壊すか、
それとも深めるかの分かれ道になることが、
心理学の研究で明らかになっています。

このテーマを40年以上にわたり科学的に研究してきたのが、
夫婦関係研究の第一人者ジョン・ゴットマン博士とジュリー・ゴットマン博士です。

私は今、そのゴットマン博士夫妻の最新刊を日本語に翻訳し、出版するプロジェクトに取り組んでいます。

テーマはずばり「正しい夫婦ゲンカの仕方」です。

ゴットマン博士とは？

ジョン・ゴットマン博士は、40年以上にわたり数万組の夫婦を対象に研究を続けてきた心理学者で、
世界的に「夫婦関係研究の第一人者」と呼ばれています。

夫婦の会話やケンカの様子を科学的に分析し、
「どのカップルが関係を長続きさせ、どのカップルが別れてしまうか」を高い精度で予測できることを示しました。
そのことから「離婚を予測できる心理学者」としても知られています。

（ちなみに、この予測についての話も翻訳中の本に出てきますが、
それによると「夫婦のケンカの最初の3分間を観察しただけで、
その二人が6年後に離婚しているかどうかを90％以上の精度で予測することができる」そうです。）

人生のパートナーでもあるジュリー・ゴットマン博士と共に設立した「ゴットマン・インスティテュート」では、研究に基づいたプログラムを世界中のカップルや支援者に提供し、臨床家やコーチ、カウンセラーに多大な影響を与え続けています。

なお、私は2013年に日本でのワークショップの運営スタッフとして、ジョン＆ジュリー博士と一緒にお仕事をさせていただいたことがあります。

夫婦ゲンカのスタイルよりも関係を左右するものとは？

翻訳を進めながら、
「これは本当に多くの方が悩んでいることだなあ」
と何度も感じます。

たとえば──

言いたいことを我慢して飲み込み、モヤモヤを抱え込んでしまうタイプ。
感情があふれて強い言葉になり、後から「どうしてあんな言い方をしたんだろう」と後悔するタイプ。
冷静に「ちょっと話したい」と切り出したのに、相手に論理で返されて「正しいのはわかるけど、それじゃ気持ちのやり場がない」と落ち込んでしまうタイプ。

どのケースも、実際のご相談やコーチングセッションでよく出てくる場面です。
（そして、私自身は3番目のタイプだったりします。）

そして博士夫妻の研究が示しているのは、
「ケンカのスタイルの違いそのものが関係を左右するわけではない」ということ。

どのスタイルであっても、基本的な「正しいケンカの仕方」を押さえていれば、
満足度が高く、長続きする関係を築くことができます。

そして本書には、その“正しいケンカの基本”についても丁寧に書かれており、どんなカップルでも実践できる具体的なヒントが詰まっています。

出版に込める想い

翻訳作業は日常業務と並行して行っていますので、
正直、亀の歩みですが、
「この話は大事だから、ぜひ一人でも多くの方に読んでもらいたい」
「この話を知ったら安堵する人がきっといるから、早く届けたい」
という気持ちが次から次へと湧いてきます。

そして何よりも
「私たちの夫婦関係がうまくいかないのは、私たちが『うまくケンカをする方法』を教わってこなかったからです。
高校で、『ケンカの仕方（基礎編）』なんて授業はありませんでしたよね？」
とゴットマン博士がこの本に書いているように、
皆さんが、この方法を知らない状態から知っている状態になったときに、
そこにどのような世界が広がっているのかを、
私自身が見てみたいと思っています。

この本が、
夫婦ゲンカに悩んでいる方や
「どう話したらいいかわからない」と感じている方に届き、
少しでも気持ちが楽になったり、
パートナーとの関係を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。

進捗状況については、またときどきご報告します。
ぜひ楽しみにお待ちください。

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