「夫婦で話し合いができない」3つの理由


個別相談で
「『パートナーと話し合った方がいい』とは思ってるんですが、できないんです…」
というご相談をよく受けます。

10組のご夫婦がいれば、10通りの「話し合えない理由」があると思うのですが、
あえてここでは、主な理由を3つあげてみたいと思います。(注)

理由1:相手が「話し合いを不要」と思っているから

妻、夫のどちらかが話し合いたいと思っていても、相手が「それは必要ない」と思っている場合、実行することは難しくなります。

「話し合いは不要」と思っている理由については、さらに2つに分かれます。

1.自分には関係ないと思っているから

「その案件は自分が関わるもの」という認識がない場合、そもそも何で自分がその件について考えたり意見を述べたりしなくてはいけないのか、という発想になります。
「本当は自分にも関係あることであっても、本人にその自覚がない」というところがポイントです。

2.この件については自分の意見や行動が正しいので、議論の余地がないと思っているから

「自分は正しい意見を主張している(又は正しく行動している)。相手は不満らしいが、それは相手が正しく理解していないからだ」

自分が正しいのは明白なので、そのことを相手に理解させるためにいちいち時間や労力を使うのはナンセンスだと思っているケースです。

1も2も「話し合い不要」と思っている側の認識が変わらないと、「当事者として」「対等な立場で」折り合いをつけるというのは難しいです。

そして、相手の認識はコントロールすることはできないので、話し合いたい側としてまずすることは、境界線を意識したうえで、しっかりと自分の願いを伝えることです。

くれぐれも相手を非難したりせずに、私メッセージで伝えてください。

理由2:相手が「話し合ったら責められる」と思っているから

話し合うことによって相手から非難されたり侮辱された経験が過去にあると、「話し合い=攻撃される、傷つく」という図式ができあがっているため、話し合いを避ける傾向があります。
(脅された、暴力を受けた、イヤな顔をされたなども同じです。)

現在のパートナーにはされていなくても、子どもの頃に自分が非難や脅し、暴力を受けた経験や、自分の親がお互いを攻撃していたり、暴力を受けていたなどのケースもこれに該当します。

この場合は、「話し合っても責められたり傷つくことはない」という成功体験があると、話し合うということに対する不安が軽減されます。

理由3:どのように話し合えば良いゴールにたどり着くかがイメージできないから

話し合いに限らず、
「やり方がわからない」
「ルールがわからない」
といったものについては、やった方がいいとわかっていても、なかなか1歩が踏み出せないものです。

逆に言うと、理由3の場合は、やり方やルールがわかると実行への敷居は低くなります。


相手に何が起きているのかは話し合わないとわからない


夫婦であっても別の人間です。

自分が「これが正解!」と思っていても、相手も同じように思うとは限りません。

子育てについての考え方、
働き方についての考え方、
政治観、宗教観など異なって当然です。

一致しないまま平行線をたどることもあります。

「それでも話し合いは必要」です。

もっというと、
平行線ならば、なおのこと「対話」が必要です。

自分がこの件に関して、どのような気持ちでいるのか。
このままだと起りうる最大のリスクは何か。
それについて自分はどう思っているのか。

こういったことについて、「当事者として」「対等に」対話をしていきます。

たとえ、二人の主張が平行線のままだったとしても、「起こりうる最大のリスクは避けたい」ということについて二人が合意できたなら、
「主張は変えないが、行動は変える」ということが実現する可能性が飛躍的に高まります。

そして、
「主張は変えないが、行動は変える」ことは、「あなたと一緒にいたいので、私はあなたとの生活を尊重するために自分が譲れる点について、自分の行動や選択を変えます」
という意思表示になります。


「話し合った方がいいけど、できない」と思われた方は、自分たちの「話し合えない理由」はどれに該当するか考えてみてください。
前進への糸口が見つかるかもしれません。

コーチと一緒に考えたい方は、30分の個別相談でお話を聞かせてください。

注1:
ここでは「口をききたくないくらい夫婦関係が悪化している」というケースは除いています。
夫婦間に起きている問題以外は話せるのに、「問題については話し合えない」という状態を想定しています。

注2:
ここでの「話し合い」とは、お互いの状況や意見、気持ちを聞きあって、調整や交渉などをして落としどころを見つけるための「対話」をさします。
「『やる』って言っておきながら全然〇〇しないじゃない。いったいいつになったらやるの?!」のような会話ではありません。

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