ケンカを避けているのに夫婦関係が改善しないあなたへ


よく寄せられるご相談に、

「夫は機嫌が悪いとすぐに部屋に閉じこもってしまいます」
「夫は自分の気持ちや考えを言ってくれません」

というものがあります。

妻側は、関係性を悪化させる4つの毒素「逃避・無視」を夫がしていると受け取りますが、
男性陣によると、「自分が口を開くと余計けんかになってしまうので、けんか回避のために口を閉ざしている」のだそうです。

そして、もう一つ、

「夫の(家事や育児の)やり方が気に入らないのですが、指摘するとケンカになるので、黙って自分が全部引き取ってしまいます。
でも、夫はそのことに対してまったく知らんぷりで、いつも心の中では頭にきています。」

というご相談もよくあります。


夫が気持ちを語らない理由も、妻が不満を夫に言わずに手を動かす理由も、
どちらも「ケンカを避けたい」という共通の思いから来ています。

では、ケンカを避けていたら関係性は良くなっていくのでしょうか?

答えは「NO」。

残念なことに、
言いたいことを言わずにいることで、関係が悪化してしまうことが多いのです。

相手を責めないようにしているのに関係が悪化する理由

上記のような行動をとる背景には、
「何か言って嫌な顔をされるくらいなら、何も言わない方が安全」
という心理が働いています。

恐らく、これまでの人生経験から「自分の気持ちや意見を語ると痛い目を見るので、できるだけ言わないようにした方が傷つかないで済む」と学んできたのでしょう。

このようなパターンは、その人にとって、自己防衛として身につけられた大切な方法です。


しかし、このパターンを繰り返していると、夫婦の間はどうなるでしょうか。

相手が何を感じているか、何を考えているかがわからなくなり、ちょっとしたことで「行き違い」が発生します。

その結果、ささいなことに大きく反応したり、誤解が生じ、衝突を避けるためにまた引きこもりが起きます。

激しい言い争いにはならないので短期間に結婚生活が破綻することはありませんが、感情的なつながりが希薄になり、最終的に離婚に至ることも少なくありません。

実際、ある研究では、感情的なつながりがない夫婦は平均16.2年後に離婚に至るケースが多いことが示されています。

パターンを変えるための具体的なアプローチ

では、どうすればこのようなパターンを変えることができるのでしょうか。

その鍵は、
「家庭は自分の気持ちや意見を出しても安全な場所であると、夫婦それぞれが感じているか
にあります。

そのためには、以下の3つのことが重要です。

①家庭内に安心安全な空気感を作ること

この空気感を作るためには、お互いの感情や意見を尊重し、受け入れる姿勢が必要です。

具体的には、次のようなことをやってみてください。

  • 積極的に話を聴く
    パートナーが話し始めたら、途中で遮らずに最後まで聴く姿勢を持ちます。
  • 批判を避ける
    パートナーの意見や感情を否定せず、まずは受け入れることが大切です。
    批判は対話を閉ざしてしまう原因になります。
  • 共感の表現
    パートナーの気持ちに寄り添い、「わかる」「そう感じるんだね」といった共感の言葉を使うことで、安心感を与えます。

参考記事:『「この人と結婚してよかった」と思われる聞き方』

②相手を攻撃することなく、正直に自分の気持ちや願いを伝える力をつけること

自分の気持ちや願いを正直に伝えることは、夫婦関係を改善するために非常に重要です。

相手を攻撃せずに自己表現するためには、次のような方法があります。

  • 「Iメッセージ」を使う:
    「あなたはいつも〇〇しない」というような攻撃的な表現ではなく、
    「私は〇〇のような場面に直面すると悲しい」といった自分の気持ちを中心にした表現を心がけます。
    これにより、相手が防御的にならずに話を聴きやすくなります。
  • 具体的に伝える
    自分の気持ちや願いを具体的に伝えることで、相手が理解しやすくなります。
    「私のことなんでどうでもいいんでしょう?」という言い方ではなく、「週末に一緒に過ごす時間を増やしたい」と具体的な行動を伝えます。
  • タイミングを選ぶ:
    感情が高ぶっているときや相手が忙しいときに話し合いを始めるのは避けます。
    冷静に話し合えるタイミングを選びましょう。


③パートナーが自分と違う考え方や感じ方をしても受け止める力をつけること

パートナーの価値観や感じ方が自分と違うことを受け入れるためには、以下のようなアプローチが有効です。

  • 異なる視点を理解する
    パートナーの立場や背景を理解し、なぜそのように感じるのかを考えるようにしましょう。
    (参考記事『夫の言い分と妻の言い分が異なったら』
  • 意見をすり合わせる
    意見が対立した場合、妥協点を見つけるための建設的な話し合いを行いましょう。
    お互いの意見を尊重し、どちらか一方が一方的に譲るのではなく、双方が納得できる解決策を探ります。

    解決できず平行線をたどる問題については「永続する問題」と捉え、問題を解決するのではなく、問題とうまく付き合っていく方向に切り替えます。
    (参考記事『解決されず繰り返される夫婦喧嘩の対処法』

練習することで上達します

夫婦の関係性を改善するためには、これらのスキルを夫婦そろって練習することが理想的です。
夫婦の関係性コーチングでは、①~③のトレーニングをコーチとご夫婦の3人で行います。

パートナーをコーチングに誘うのが難しい場合は、まずは自分自身が①~③のスキルを身につけることをお勧めします。

ご自身がスキルを身につけることで、パートナーに対する接し方が変わり、家庭の雰囲気も変わっていきます。

自分の態度や振る舞いの変化は、パートナーにも伝わり、やがて夫婦の関係性改善につながるでしょう。


夫婦関係改善の第一歩として、まずは自分自身が変わること。
その変化が、やがてパートナーとの良好な関係を築く土台となります。

何かを行うには勇気が必要かもしれませんが、大きな変化も小さな1歩から始まることを忘れないでくださいね。

自分が何から始めたらいいか迷ったら、ぜひ個別相談をご利用ください。

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