「追及する人vs逃げる人」のパターン

妻「ねえ、なんでちゃんと考えてくれないの?」

夫「考えてるよ」


妻「考えてないじゃない。

子どものことでいつも悩んでるの私ひとりじゃない!
毎回毎回話してもちゃんと聞いてくれないじゃない」

夫「聞いてるし考えてるよ」


妻「考えてない!

子どものことよく知らないから、使えない解決策しか出せないし」

夫「忙しいんだから仕方ないだろ。

疲れてるからもういいかな」(部屋を出ていく)

この例では、妻は追及する役割を、
夫は逃げることで距離を取る役割をとっています。

「追及する人」vs「逃げる人」のパターンにはまり込むと、
非難、侮辱、防御、逃避/無視の4つの毒素が吐かれ、
二人の関係は傷ついていきます。

心理学者のE・メイビス・ヘザリントンは
30年以上にわたり1400組の離婚した夫婦を調査した結果、
このパターンにはまり込んだ夫婦が最も離婚リスクが高いことを発見しています。


<追及する人の傾向>

  • 追及する人は、二人の間にあるストレスを解消するために相手に向かっていく
  • 相手と一緒にいたり、話し合ったり、
    気持ちや考えを表明することでストレスを解消しようとする
  • 二人の間に問題があると感じたときは、
    相手と関わり、話し合い、距離を縮めることで修復しようとする
  • パートナー(逃げる人)が作る自分との距離に不安を感じる
  • 「コミュニケーションは大事」「つながりを強化することが大切」という
    自分の価値観は正しいと信じているので、距離を取ろうとするパートナーを批判する
  • 「このまま距離を放置していたら取り返しのつかないことになってしまうのではないか」
    という恐れを抱いている
  • 以上のような理由で、その不安の解消のために、
    待ったなしで頻繁に相手に多くを要求する


<逃げる人の傾向>

  • 「逃げる人」は相手と一定の距離を保つことで、二人の間のストレスから身を守る
  • 相手と離れる物理的な距離、精神的な距離が「逃げる人」には大切
  • パートナーに弱みを見せることがとても苦手
  • 二人の間がうまくいっていないと、別のことで気を紛らわせる
  • 引きこもりがち、心を閉ざしがち



「追及する人」vs「逃げる人」のパターンでよく耳にするのは、
夫婦間のコミュニケーション不足をどうにかしたい妻が夫を追求するものです。

夫婦仲をより良くするために、
妻は夫に、もっとオープンに自分の気持ちや願いを話してくれるように望みます。

もっと自分に弱みを見せて、精神的に頼ってほしい、
また、自分が辛いときには精神的に支えてほしい、
そのようなつながりが大切だと考え、それをパートナーに求めます。

しかし、夫にしてみると
今の状態で何の問題があるのか、わかりません。

妻は要求し、夫は逃げます。
逃げる夫に対し、妻は非難し、夫は防御で応戦します。
妻はますますイライラし夫を侮辱します。
夫は逃避/無視します。

(性別入れ替えもあり)


どちらの役割が良い/悪いというわけではありません。

関係性はバランスを取りたがるので、
「追及する人」が現れると、
もう一人が「逃げる人」の役割を取るのは自然な流れです。

そして、役割は人に属するものでも性別で決まるものでもないので、
私たちはどちらの役割も取りうる可能性があります。


ここで大事なのは、
関係性に関する知恵を持っていると、
「追及する人」vs「逃げる人」のパターンが現れた際、
それに気づき、その先の行動を選択することができる
ということです。

そうでないと、
二人はこのパターンの中で4つの毒素を繰り返し出し、
結婚生活が破綻に向かって進んでいくことになります。

夫婦関係研究の第一人者ジョン・ゴットマン博士は
この「追及する人」vs「逃げる人」のパターンについて
「もし、これを解決しなかったら、離婚後、同じパターンが次の結婚生活でも繰り返され
結果として同じような関係性に陥る」
と述べています。


自分が「追及する人」だったら

「追及する人」は、二人の間の距離に危機感を強く抱きますが、
究極の願いは「二人の間の状況をより良く変えたい」ということです。

二人の間に問題があると感じると、
つい、口うるさく相手を追及したくなってしまいますが、
追及以外にも相手との状況を改善する方法があることを知っておいてください。

パートナー(逃げる人)は、二人の状況に問題意識を持っていたとしても、
追及モードのパートナーとやり合うよりは現状維持の方がマシだと考えることも多いのです。

あなたが二人の間を改善しようとして追及すればするほど、
相手はプレッシャーに耐え兼ね、距離を取ろうとします。

良かれと思ってしていたことが、
かえって二人の間をギスギスさせることも少なくないのです。


パートナーから何度も追及を受けた「逃げる人」は、
もうこれ以上プレッシャーを感じたり、批判されたり、
怒りの矛先を向けられることは勘弁してほしいと思っています。

そのような状態なので、相手を信頼することを恐れていますし、
胸を張って「自分を信頼して」とも言うことができません。
再び傷づくのが怖いからです。


怖がっているパートナーからの信頼を取り戻し、
相手とつながり直すためには、
相手を受け入れ、尊重するという態度・姿勢が必要です。

相手を評価したり審判したりせず、
相手が安心していられるスペースを築きます。

この変化は瞬時に起こせるものではなく、
少し気長に、継続して行う必要があります。

「自分のことを攻撃するのではなく、理解してくれる」と
相手が感じたとき、相手は逃げることを止めます。


自分が「逃げる人」だったら

「逃げる人」にも知っておいてほしいことがあります。

追及するパートナーは、
「逃げる人」が何度も話し合いを拒むことで、
「もう自分の話は聞いてくれないんだ」とあきらめてしまうことがあります。

二人でいる意味を失ったと感じ、突然結婚生活から去っていきます。

そのときになって、あなたが慌ててパートナーを追いかけても、
もう間に合わないかもしれません。


「逃げる人」が相手と向き合うのを拒むことで、
二人の間に豊かな関係性を築くチャンスをみすみす逃していることを知ってください。

逃げたいと思う自分の中にも、
つながりを求める相手と向き合う力と勇気があることに気づいてください。


「逃げる人」であるあなたが避けているものは何ですか?
どうしてそれを避けるのでしょう?

もしかしたら、二人の関係性の中で
追われることでパートナーに支配されるという恐れを抱いていませんか?

距離を取ることで自分の安全を確保しているのではありませんか?


覚えておいてください。
パートナーがあなたを追及するのは、
あなたに捨てられるのが怖いからです。

二人の間が決定的に離れてしまうのを恐れているからです。

「追及する人」は「私たちは大丈夫」という安心感が欲しいのです。
決してあなたを支配してやろう、とは思っていません。


あなたから変わりはじめる

関係性はバランスを取りたがるので
「追及する人」「逃げる人」のパターンが生まれると先に述べました。

二人のうちのどちらかがこのパターンに気がつき、
「このパターンから抜け出す」と決めれば、
関係性は変わっていきます。

これは、
「私も気をつけるんだから、あなたも気をつけてね!」と
相手にプレッシャーをかける必要はないということ
です。

(もしもそれを実行したら、
関係性の中に
「私が気をつけているのにあなたはどうして」という
ネガティブな影響を与えてしまいます。)

「相手とより良い関係を築きたい、良いパートナーでありたい」
という純粋なあなたの気持ちが、
二人の関係を変える最初の一歩を踏み出す勇気になります。


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