妻が口をきかないー妻が怒っている理由とは

野原広子さんのコミック「妻が口をきいてくれません」の抜粋版を読みました。

妻がどうも怒っているらしく、
何日も(結局5年間も)口をきいてくれないのだが、
夫にはその理由がわからない…という内容のコミックです。

こちらの試し読みページでは前半部分からの抜粋で14話読めます。)


14話読み終わるまでもなく、
「ああ、これは妻は怒るわ」というのが
私には読み取れたのですが、皆さんはいかがでしょうか。

もちろん、夫、妻ともに「関係を壊していくまずい言動」が見て取れるので、
夫だけが悪いというつもりはありませんが、
少なくとも妻が怒っている理由は明白です。


ところが、びっくりしたのがAmazonのレビューです


夫の言動はささいなこと、
不満は言わなきゃわからない(言い方が適切かはさておき妻は伝えています)、
妻が最大の問題という風に書かれているものもあり、
特にこの感想を持つ男性の方々は同じことをしていても自覚がないかもしれないと思いました。


そんなわけで、
もしかしたらどこがどのようにまずいかがわからない方もいらっしゃるのかも…と思い、
二人の仲が壊れていった要素を少し解説してみようと思います。

(この記事では関係性を悪化させるの4つの毒素に焦点を当てて解説しています。
それぞれの言葉の意味はリンク先に解説がありますので、
初めての方はぜひそちらも合わせてお読みください。)


試し読み14回のうち、前半の7話は「夫から見た現実」、
残りの7話は「妻から見た現実」が描かれています。


冒頭の1話から、夫が妻に無視されている様子が書かれています。

無視は、関係性を悪化させる4つの毒素の1つですので、
理由があったとしても、無視を続けている間はどんどん二人の溝は深まっていきます。


基本的に「夫から見た現実」は、
「妻がどうして怒っているのかわからない」という独白で描かれていますが、
その中でも、夫がやらかしてしまった場面がいくつか出てきます。


例えば2話の、出されたカレーにスプーンがついていなかったシーン


「…ねえ、ママ、スプーンがないよ。これ 手で食べるタイプ?」

セリフ引用元:妻が口をきいてくれません


子育て中の忙しい期間であっても、
夫が食事の用意に関して完全に受け身になっている様子がうかがえます。

そして、自分でスプーンを取りに行くでもなく、
「スプーンを取って欲しい」と言うでもなく、
「これ手で食べるタイプ?」というイヤミで表現してしまうのです。

このイヤミに「気が利かない」という非難や侮辱の毒素が入り混じっているように感じました。


そして、8話以降の「妻から見た現実」では、
二人の関係がどのようにして壊れていったかが、さらにわかりやすく描かれています。

まず、


「いったい今日なにしていたの?一日家にいるんだからいろいろできるでしょ」(8話)
「ママは心配しすぎなんだよ。もっと気楽に考えなきゃ」(9話)
「どうせおなじ材料でつくるんだしたいしたことないだろ」(10話)

セリフ引用元:妻が口をきいてくれません


テキストだけではわかりにくいかもしれませんが、
夫の表情や状況から、4つの毒素の「侮辱」を出していることがわかります。
(この場合、「見下し」と言った方がわかりやすいかもしれませんね。)

侮辱・見下しは、4つの毒素の中でも一番毒素が強く「関係性の硫酸」と言われています。


また、


「一日家にいられる人は気楽でいいよな」(侮辱・見下し
「だらしないなあ」(非難
(以上10話)

セリフ引用元:妻が口をきいてくれません


というように、夫のコミュニケーションの中に日頃から4つの毒素が多分に含まれている様子がわかります。


そして、夫にイライラした妻が


「ねえ、洗面台のまわりびちょびちょのままにしないで!どうして何回言ってもわかんないの?」

乱暴な会話の切り出し4つの毒素の「非難」

セリフ引用元:妻が口をきいてくれません


と毒素交じりに伝えると、

夫は、


「気づいたならママがふいてくれればいいじゃん ちょっとのことだろ」

引用元:妻が口をきいてくれません


4つの毒素の防御で返します。(12話)

誰かに非難されたり侮辱されたりすると、自然に防御を繰り出したくなるのですが、
防御は「私は悪くない、問題はあなたにある」というメッセージであり、
二人の関係をますます傷つけます。


他にも

「ねえ、ドライヤーするのになんでドア閉めないの?うるさくてテレビの音聞こえないよ」
「ママはいつも言い訳するよね」(以上12話)

引用元:妻が口をきいてくれません


など、非難見下し(侮辱)の言葉がこの先も続いていきます。


ワシントン大学名誉教授ジョン・ゴットマン博士の研究によると、
4つの毒素が二人のコミュニケーションに頻繁に含まれるカップルは
統計上5.6年という短い期間で結婚生活に終止符を打っています。

しかも、これらのコミュニケーションの特徴は
「相手を傷つけようとして口にしたセリフではない」ということです。

そんなつもりはないのに、
自分たちの夫婦生活を知らず知らずのうちに傷つけているケースが意外と多いのです。


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